IT業界全体像

IT(Information Technology)業界は大きく5つに分類することができます。

ただし、IT業界は多くの業種や職種が絡み合ったり、技術やサービスの進化につれ年々業態が複雑化しており、明確に5つに分かれているというわけではありません。

例えば、経済産業省では、ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業、インターネット附随サービス業の3分類されています。(※情報サービス業として)

また、日本の主要産業である自動車、鉄鋼、エレクトロニクスなどと比較しても売上高、従業員数とも遜色ない規模となっています。

業種説明

  • コンサルタント業

    企業の現状(経営戦略、業務内容、稼働システムなど)のヒアリング・分析を行い、課題を洗い出し、
    それを解決するための提案(経営戦略に沿ったIT戦略策定、新システム導入)を行う。

  • 情報サービス業

    SI(System Integration)サービスとして、企業の課題分析、情報収集し、情報システムの企画、
    設計~運用、保守まで一貫して行う。(受託開発)また、上記のシステム開発にあたり、
    パッケージソフトやハードウェア選定等も行う。その他、OS、ミドルウェア、ゲームソフト開発等も含まれる。

  • インターネット附随サービス業

    ポータルサイト運営・レンタルサーバ運営・クラウド事業・コンテンツ提供など、
    インターネットを通じて通信および情報サービスを行う。

  • ハードウェア業

    PC・スマホ・周辺機器といったハードウェアの企画・設計・開発・販売を行う。
    組込みシステムエンジニアはハードウェア業界のITエンジニアとして位置づけられる。
    (※組込みソフトは情報サービス業に位置づけされることもある)

  • 通信・ネットワーク業

    電話・インターネット・光ファイバー・無線などネットワークインフラの構築、提供を行う。
    ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアは、通信業界のITエンジニアに位置づけられる。

今後の動向

IT業界は1960年代にメインフレームの登場以来、今日まで絶え間ないイノベーションにより次々と新しい技術、ビジネスモデルが生まれ成長し続けております。

特に1980年代、1990年代のPC・インターネットの登場により、ビジネスからパーソナルへ、進化を遂げております。(図1)

また、2010年代では、IoT(モノのインターネット)・AI(人工知能)・BD(ビッグデータ)が登場しました。
今後は、これらの技術を活用し、新たな社会(Society 5.0)へ移り変わっていきます。
Society 5.0とはサイバー空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会です。(図2)
この社会を実現するためには、フィジカル(現実)空間からセンサーとIoTを通じてあらゆる情報を蓄積(ビッグデータ)し、人工知能(AI)がビッグデータを解析し、高付加価値を現実空間にフィードバックする必要があります。

今後のIT(ICT)は、IoT・AI・BDなどを組合せ、新たなビジネス価値を生みだすようになっていきます。(図3)

図1:IT業界の歴史(クリックで拡大)

図2:Society 5.0(クリックで拡大)
出典:内閣府ホームページ (https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/)

図3:新たなビジネス価値の創出